相模原の浄土真宗のお寺『本弘寺』

住職の法話

タイトル:『迷いの根源は 何事も自分の 都合しか考えない 心の中にある』(2011年2月 1日)

迷いの根源は 何事も自分の
都合しか考えない 心の中にある

 先日、出かけようとしているところに見知らぬ60代後半かと思われる優しそうな女性が来られ、「先祖供養をお願いしたいのですが」と言われました。どんな先祖供養ですかと尋ねると、「主人に何代か前の女性の霊が付いていて、先祖供養をしなければ駄目ですとある占い師に言われたのでお願いに来ました」と言われます。そうした供養は当寺では行いませんとお断りしましたが、それでお帰りいただくのも気の毒であり、そうした迷っている人の心を晴らすのが私に与えられた使命でもありますので、約束をしていた先方には少し遅くなることを伝えてその女性の話を伺ったのです。
 ご主人に女性の霊が付いているので供養をして霊を取り除きたいと言うことですが、ご主人が重い病を患っているとか、仕事上どうにもならない問題を抱えたとか、何か大きな悩みがおありなのですね。と問いますと、「実は主人に問題があるのではなく、私には子供が4人いるのですが、皆30才を過ぎているのに誰も結婚の縁がないのです。」それで占い師に見てもらったところその様に言われたとのことでした。その様に言われたら益々迷ってなんとしても霊を取り除こうと思うのでしょうね。しかしお子さん方に結婚の縁がないのは先祖の霊の祟りではありませんと結論を話し、その方に私の思いを話しました。
 今の時代、人間関係が希薄になり人の世話なんかしようとしない、考えもしないのです。人が困っていようが、泣いていようが、我関せずです。寂しい世の中ですね。昔は世話好きな人がいて良かったのですが、今の世はそうした方がいないので、女性の少ない職場、男性の少ない職場では縁が薄いのです。消極的な性格では縁がいよいよ遠のくのです。ですからあなたでも、ご主人でもが積極的に我が子を売り込むことが大切ではないでしょうか。結婚相談所も考えて良いのではないでしょうか。結局すべては何事も因+縁=果の法則であることを忘れないで、あまり深刻にならず良いご縁がいただけるように心がけて下さい。大事なことは、占い師に頼ってまで自分の都合をかなえようとする弱い心が問題ですと話をさせていただいたのです。
 あなたは先祖の霊が災いを招いていると仰いますが、先祖は法事をしようがしまいが、墓参りをしようがしまいが、祟りなどかけるはずがありません。それどころか幸せを願い通しでいてくださるのです。あなたもお子さんから時には裏切られたり、馬鹿にされたり、ひどい仕打ちを受けたことがあるのではないでしょうか。それでも子供達に罰を与えようとか、祟ろうなどとは少しも考えないでしょう。お子さんの幸せを願い続けているではありませんか。どうか霊の祟りなどという迷いを振り払うためにも正しい仏法を聴聞し、どんな不都合なことがあろうとも、迷いから覚めた人生をしっかりと歩んでくださいと話しお帰りいただきました。その時、聖人のご和讃が頭に浮かんで来ました。


「かなしきかなや道俗の 良時吉日えらばしめ


 天神地祇をあがめつつ 卜占祭祀つとめとす」(正像末和讃)


聖人ご在世の頃も今の世と代わりがないのですね。
葬式だ結婚式だと何かある毎に日の良し悪しにとらわれ、動かされ、天の神、地の神を畏れ、左右され、支配され、自分の都合をかなえるために占いやお祓いなどで除災招福を願うことは本当に悲しいことである。真実に目覚めよと聖人は悲しまれておられます。
浄土真宗のお育てに預かった私はいかなる時も六曜(先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口)など何の根拠もない日の良し悪しや方角にとらわれることなく、占いやお祓いなど考えたことも、思ったことも、とらわれたこともありませんので楽なことです。有り難いことです。お念仏と共に無碍の一道を歩まさせていただいております。合掌

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