相模原の浄土真宗のお寺『本弘寺』

住職の法話

タイトル:『仏の教えは人の心に生きる力を与えて下さる』(2006年4月 1日)

花は人の心を和ませ 光は人の心を暖かに


仏の教えは人の心に生きる力を与えて下さる

 釈尊は4月8日無憂樹の花が咲き匂うルンビニーの花園でお生まれになられると、7歩足を運ばれ、右手で天を左手で地を指し、「天上天下唯我独尊」と叫ばれました。この誕生偈は大変深い意味があります。「天上天下」とは広大な宇宙全体を表し、「唯我独尊」とは人は他を羨むこともない。まして善とか悪とか、賢とか愚とか比較する必要もない。しかも、仏の命をいただいた尊い存在です。と言うことでしょう。ですから、「天上天下唯我独尊」とはこの宇宙に存在する全ての生きとし生けるものは仏になりうる命を具えた尊い存在ですと言うことなのです。そして7歩足を運ばれたことも地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道、天上道と言う迷い苦しむ六道の世界を抜けて、覚りの境地に到ることができる尊い存在ですという深い意味があるのでしょう。
 釈尊がお解きくだされた仏の教えは今に綿々と伝えられ、私たちの悩み苦しむ人生に大きな光明を放って生きる力となって働いて下さっています。仏の教えを有難くいただくとき、釈尊のお誕生を心からお祝いせずにおられません。その心が「花まつり」の行事として今に伝えられているのです。
 近頃、キリストの誕生を祝ってクリスマスが異常なほど盛んに行われますが、仏教国である日本においては「花まつり」こそ盛んに行われることを望みたいものです。
合掌

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