相模原の浄土真宗のお寺『本弘寺』

住職の法話

タイトル:『到彼岸』(2004年9月 1日)

夏の極暑も
親の厳しい意見も
その時はつらいが
今になれば有り難い

 今年の夏の暑さは例年にない暑さで、夏日の新記録も作った。時には体温よりも気温の高い日があったので、酷暑と言うより、極暑(ごくしょ)という言葉がありますがまさにその言葉がふさわしいように思われました。涼しい凌ぎやすい日が果たしてくるのかとさえ思いましたが、自然の力は偉大です。朝晩、寒ささえ感ずるようになりました。あの暑さを懐かしく思いながら、14年前に亡くなった父を思い出すとき、父の姿は厳しかった。
 紙一枚も、水一滴も、米一粒も、仏法領のものを無駄にするな。生かせよ。と教えてくださいました。その父は念仏の一道を厳しく歩まれ、仏法聴聞を怠るな。聞法に励めよ。今日一日が大事だぞと私をお育て下されたのです。その父を、お彼岸を迎えると、今は浄土の住人となられておられるのだなぁと懐かしく思い出すのです。父の厳しいお育てのお陰で、私もお念仏の生活の中に彼岸に向かって迷わず歩むことができる思いがいたします。
 私たちの人生には次々と不都合なことが起こります。欲と欲がぶつかり合い、騙し騙され、裏切り裏切られ、互いに傷つき、悶々と日々を過ごさなければならない時もあります。こうした悩み苦しみの多い娑婆に生きていますと、なんとしてもそうした世界から逃れて、悩みも、悲しみも、怒りも、恨みも、罪もない浄い自由な境地を願うのは当然のことでありましょう。争いもなく、悦びと感謝の心が豊かに満ちた世界、それが彼岸の世界であります。彼岸の世界に到るには、聞法せずには到ることはできないのでしょう。お念仏を忘れては渡ることはできないと思います。聞法をするには絶好の時季です。当寺では9月23日(お中日)午後1時30分より彼岸会法要を厳修いたします。ご参詣くださいませ。お待ち申し上げます。

合掌

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