相模原の浄土真宗のお寺『本弘寺』

住職の法話

タイトル:『花まつり』(2004年4月 1日)

無憂樹の 花咲き匂う 園にあり
天上天下唯我独尊

 お釈迦様は2500年もの昔、インドのカピラ国の王子様として無憂樹の花が咲きほこるルンビニーの花園で4月8日にお生まれになられました。お釈迦様はお生まれになられると東西南北の四方に七歩足を運ばれ、右手で天を指し、左手で地を指して「天上天下唯我独尊」と叫ばれました。この言葉を直訳しますと「天の上にも天の下にも我一人尊い」という、大変傲慢な意味になります。しかし、この言葉は決してそういう意味ではありません。"天上天下"とは広い宇宙全体を表現したものであり、"唯我独尊"の"唯我"とは私は誰に変わってもらうことのできない存在と言うことであり、"独尊"とは他と比較できない仏の命を具えた尊い存在と言うことでしょう。したがって"天上天下唯我独尊"とは「この広い宇宙に存在するすべてのものはみな、仏の命を具えた比類のない尊い存在です。」と言うことなのです。お釈迦様が説かれた仏の教えは今に綿々として伝えられ、私たちの悩み苦しむ人生に大きな光明を放って、私の生きる力となって下さっています。その御恩、喜びを思い、お釈迦様のお誕生を心からお祝いしたいと思う心が「花まつり」の行事なのです。この花まつりはいろいろなお花で飾った花御堂(はなみどう)を作り、お誕生仏をお迎えし、お釈迦様がお誕生になられると二頭の龍が現れ、甘露の雨を降らしたとの伝説に基づき、甘茶をおかけいたしてお祝いをいたします。クリスマスのように花まつりも盛んに行われることを望みたいものです。花まつりは正式には「灌仏会(かんぶつえ)」と申します。


合掌

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