相模原の浄土真宗のお寺『本弘寺』

住職の法話

タイトル:『見方を変える』(2003年7月 1日)

見方を変え
気付いてみれば
一つ一つが
悦びでした

 石原裕次郎さんが亡くなられてもう17回忌だそうで、その裕次郎さんを偲んで、兄であり東京都知事の石原慎太郎さんと俳優の渡哲也さん、そして北野武さんが、たまたま付けたテレビで対談をされていました。その中で裕次郎さんが入院中、渡哲也さんに独り言のように「人間の幸せって何かな?」と問われ、その後「酒が飲みたい」と言われたのだそうです。お酒のコマーシャルで「喜びとは?」と尋ねられ「飲むことよ!」と答える浴衣姿の裕次郎さんの喜びの顔が思い出されました。渡哲也さんがこんな事なら酒もタバコも飲ませてあげれば良かったと述懐されました。北野武さんも感ずる物があったのでしょう。北野武さんが交通事故をおこして入院している先の病室の窓から外を眺めているとき、寒そうにコートの襟を立てて街行く人の姿を見て、その寒そうに歩く人の姿を幸せだなぁと感じられたと言われるのです。その言葉に石原慎太郎さんも「分かるなぁ」と頷いていました。
 酒を飲むこともタバコを吸うこともなんでもないことでは無かったのです。飲むことが出来る、吸うことが出来る大きな喜びでありました。寒い中を歩かねばならないことは辛いと思うかも分かりませんが、自分の足で歩くことが出来ると言うこと、この事はただごとではありませんでした。大きな喜びでした。


合掌

最近の記事

月別アーカイブ