相模原の浄土真宗のお寺『本弘寺』

住職の法話

タイトル:『一度限りの人生 二度とない今日 三省の心を大切に』(2011年12月 1日)

一度限りの人生
二度とない今日
三省の心を大切に

 久しぶりに友人を訪ねました。奥様が出てこられ、主人は三日前に葬式を済ませたばかりとのこと。話を伺うと、写真の同好会の仲間数人と1泊で紅葉の景色を撮りに出かけ、昼にレストランで皆と楽しく元気に食事をとり、そろそろ他へ回ろうかと席を立って銘々がトイレへ行ったりタバコを吸いに外へ出たりしていたというのです。そのときレストランの中が騒々しくなり、誰かが倒れて血を流していると大騒ぎになったのです。すぐに病院へ運ばれましたがすでに死んでいたとのこと。・・・それが主人だったのです。警察の事情聴取に同行された方も何が何だか分からずしばらく唖然として言葉にならなかったと言うことでした。私も慰めの言葉もなくとりあえずお焼香をさせていただき失礼したのです。


 仏法には明日はありませんと教えられておりますが、明日どころではないことを友は身をもって教えてくださったのです。それなのに、それなのに私には明日があると思い込んでいるのです。ですから大切な、大切な二度と無い今日をむざむざと過ごし、どうでもよいことにああでも無いこうでも無いと争い、些細なことに損した得したと目くじらを立て同じ失敗を何度も繰り返してしまうのです。よく父親に同じ失敗をするな!反省が反省になっていないからだと注意されましたが、情けないことです。


 親鸞聖人の750回御遠忌を形ばかり勤めさせていただきましたが、聖人のように深く深く仏法聴聞の中に厳しくご自身を見つめ、反省、慚愧しご恩に報いる心を忘れてはならないことであり、念仏申すなかに浄土往生間違い無しという確信をしっかりいただきたいものです。


 今年も如来様やたくさんの方々に助けられ、我慢され、許され続けて暮れようとしていますが、果たして新しい年を迎えることができるのでしょうか?ナンマンダブツ、ナンマンダブツ。合掌

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