相模原の浄土真宗のお寺『本弘寺』

住職の法話

タイトル:『眠りも、目覚めも、死ぬも、生きるも、我が力にあらず』(2007年10月 1日)

眠りも 目覚めも
死ぬも 生きるも
我が力にあらず 

 経済的な大きな問題。計画したことが思うように運ばない。人間関係、信頼していた人に裏切られる等、人生様々な予期せぬ事で苦しみ、悩み、大きなストレスのため、体調を崩すことは多い。私も一時複雑な種々なことが重なり、体調を崩し、不安な日々があったが、そのお陰なのでしょう。体重も減量することができ、血圧も正常となり、メタボリック症候群の心配もなくなりました。周りの人は体重をそんなに一気に落とすと必ず体がバテて寝込むようになるから気を付けるようにと注意してくださったのですが、自信過剰で大丈夫と思いこんでいたのです。それが今夏の酷暑も手伝ってか、7月、8月、9月と早朝2~3時間の労働と睡眠不足が重なってか、9月22日の夜中、突然ガタガタブルブルと体の震えが起き、風邪薬とショウガ湯を飲んで布団にくるまったのですが、一向に震えが止まらず、これが夏バテか?どうなるのかと心配しましたが、そのうちいつの間にか眠りに付けたようで、目覚めたときには震えはおさまっていました。大変嬉しかったです。


その時思いました。眠りたい眠りたいと思っても眠れず、腹に力を入れて震えを止めようとしても止めることができませんでしたが、自然と眠りに入り、目覚めれば震えもおさまっていたのです。眠ることも、目覚めることも、震えが起こるのも、おさまるのもすべては我が力ではありませんでした。共にお与えの物でありました。


改めて人生の四苦八苦の苦しみを考えさせられました。何故そうしたことで苦しみ、悩むのか。やはり何事も自分の都合の良いように事が運ぶことしか考えず、我が力でなんとかなると思いこみ、そこに計らいが働くからでありましょう。煩悩具足の私にはどうにもならないことでした。まったく我が力通用せずと頭下がるとき、ただただ如来にお任せするしか生きる術がありませんでしたと深く信知されるのです。すると、不思議に念仏の世界が開かれてくる思いがいたします。そこにナンマンダブツ・ナンマンダブツと自然と念仏がこぼれます。するとこれまた不思議に穏やかな安らぎを覚えるのであります。合掌

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