相模原の浄土真宗のお寺『本弘寺』

住職の法話

タイトル:『お念仏は 足を知る 妙薬』(2008年4月 1日)

お念仏は 足を知る 妙薬

 世の中には食べること、身につける物、何事も最高級でないと納得できない人がいます。こうした人は何を食べても、何を身につけても、どこへ行っても、何をしても、感謝の念が無く、不平不満に満ちています。気の毒な人だと思います。人間の幸福は物や金の多少で決まるものでもないし、社会的地位や権力で決まるものでもないのです。豊かな心で生活しているか、貧しい心で暮らしているかで決まると言われます。
 釈尊は「足るを知らざる者は富めりと言えども貧し。足るを知るものは貧しと言えども富めり。」と申されました。お念仏はまさに足るを知る世界であります。お念仏を悦ぶ人に不足はありません。今のままで十分です。お陰様ですと悦びを味わえる生活なのです。
 病気に苦しんだり、商売につまずき苦境に立たされたり、人間関係で悩んだり、人生には種々辛いときや悲しいときがありますが、そんなときはとても満足とは思えませんし、死にたくもなり、自暴自棄にもなるでしょう。そんなときこそお念仏の心を思い出してください。常に仏法を聴かせていただかないとお念仏は出ないものです。ですから日頃の仏法聴聞が大切です。その中に仏の声が聞こえてまいります。ある時は励ましの声となって。ある時は慰めの声となって。ある時はお叱りの声となって。「いつでもあなたの側を離れず、見守っているから安心しなさいよ。負けなさんなよ。」と聞こえてくるのです。仏の声に促され、生きる元気と勇気が湧いてきます。今日という日は2度と来ないし、昨日亡くなった人にとってはどうしても生きたかった日ではないか。不思議な偶然の中に賜った2つと無い命ではないか。人から褒められるようなことはできなくとも、精一杯やれるだけのことはさせていただきますと、力強く歩むことができる力を感ずるのです。ですからお念仏こそ足るを知り力強く生きる妙薬なのです。合掌

 

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