相模原の浄土真宗のお寺『本弘寺』

住職の法話

タイトル:『浄土への道、真実の道を歩む』(2007年6月 1日)

掃除の行き届いた部屋に 糸くず一本落ちていても 気になるが
乱雑な部屋では どれだけ汚れていても 気にもならない

 ある人が、「浄土真宗はすぐに罪深い自分に気付けとか煩悩だらけの身であると自覚しろとか、そんなことばっかり言うので俺は嫌いなんだ。浄土真宗の話を聞いているといよいよ罪深く、ますます煩悩が増えてしまう気がする。そんなマイナス思考ではなく、何でもっとプラス思考になれないのか?」と言われた。仏法を薄っぺらに聞いたり、正しく聞くことができないと、自分の深いところにある本当の心は見えないものです。自分の浅い表面的な心しか見えないから、"自分は正しい""自分は善人である"としか思えないのでしょう。
 確かに法律に触れることはしていないし、道徳に反することもしてはいない。それどころか困っている人や、泣いている人がいれば助けてあげることもあるし、奉仕活動にも精を出している。世のため人のために励んでいるんだ。このように自分を見るから、"自分は立派な人間である"と思うのでしょう。
 自分は正しいと思いこむから、そこに何かトラブルが起こると、"相手が悪い""相手が愚かである"としか見えないのでしょう。当然そこには争いが起こり、国と国とでは戦争にまでなるのです。
 浄土真宗を聞かせていただくことは、罪がより深くなることでもないし、煩悩がますます盛んになると言うことでも、マイナス思考に陥ることでもないのです。仏法を正しく聞かせていただきますと、如来の慈光に照らされて我が身のいたらなさ、あさましさ、罪悪深重、煩悩具足の恥ずかしい私でありましたと今まで見えなかった姿が見えてくるのは確かなことでありましょう。そうした我が身が見えてきたからと言ってもそれがマイナス思考になることではないのです。正しく見えるからこそ、他人の失敗もいたらなさも、自分も同じだよと温かく受け止めることができるのです。いよいよ浄土真宗の教えを宗として、二度と無い人生、尊い人生を大切に生きようと明るいプラス思考になれるのです。浄土真宗の教えに導かれて浄土への道を、真実の道を歩まさせていただきます。合掌

 

最近の記事

月別アーカイブ