相模原の浄土真宗のお寺『本弘寺』

住職の法話

タイトル:『味わう人生』(2003年6月 1日)

ごめんなさい
おかげさま
ありがとう
と味わえる人生には
悦びがある

 日常会話で、お元気ですか?と尋ねられると「はい、お陰様で」と応えます。人に何かをしていただくと「ありがとう」と感謝の意を表わします。「おかげさま」にしろ「ありがとう」にしろ、深い心のこもった素晴らしい日本の言葉だとしみじみ感じました。
 本堂の地下室がここ十数年の間、物置室に変わってしまい、気が付いたら足の踏み場もない、手の付けようもないほど汚れきっていました。息子二人と三人で片付けはじめたのですが、わずか半日でクタクタになり、少しも片付かないのです。
途方に暮れてリフォームを業者の方にお願いいたしました。十六種もの業者の方々が、汚いとか、面倒くさいとか文句一つ言わずにそれぞれの仕事を黙々と、時には喜々としてこなしてくださいました。ちょうど一ヶ月で足の踏み場もない汚れきった部屋が見違えるほど明るく、良くなりました。まさに"おかげさま"です。"ありがとう"と言わずにはおれませんでした。同時にまだまだ使えるものをゴミとして処分してしまったことに、物を生かすことが出来なかった自分が情けなく、苦労して作ってくださった方々に申し訳なく「ごめんなさい」と心の中でつぶやくと、自然とナンマンダブツ・ナンマンダブツとお念仏がこぼれるのです。


合掌

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